朝日新聞社から取材を受けました。

パッソでは技能訓練の一環で布マスクの糸をほどいてガーゼを取り出しています。
その模様を取材して頂きました。

アベノマスク、糸ほどきガーゼに変身 障害ある人の技能訓練に5万枚

【YouTube】1枚ずつ手作業で糸をほどき… アベノマスクの使い道とは?

【引用元:朝日新聞デジタル】

政府が新型コロナウイルス対策で配布した布マスク(通称・アベノマスク)。岐阜、愛知両県にある障害者の事業所では、譲り受けた10万枚を、1枚ずつ手作業で糸をほどく。これまでにガーゼの布地になったのは約5万枚。このうち1万枚ほどが、様々な形で活用されている。その使い道とは……。

 JR岐阜駅近くのビル街にある就労移行支援事業所「パッソ岐阜校」。4月上旬、利用者が裁縫用具を手に黙々と作業していた。

 「パソコンなどのカリキュラムと違って手先を使うので、すごく集中力がいります」。車いすで生活する利用者の岡本一真さん(19)は、こう話す。

まず利用者が、マスクを裏返して縫い目を切り、糸を取り除く。検品担当はガーゼを広げ、糸の残りや穴がないか確認。穴やほつれの有無によって、ガーゼを三つの等級に分けている。

 作業を始めた約1年前は、1枚ほどくのに50分かかったという岡本さん。今は同じ時間で5、6枚をこなす。「余ったマスクの有効活用は、すごくいいこと。解体後に色々なものに変わることを考えて、丁寧にやるよう心がけています」

病院で、大学で 様々な形に

 運営会社の「Man to Man Passo」(名古屋市)は昨年1月、関連会社を通じてマスク10万枚を厚生労働省から譲り受けた。これまでに岐阜、愛知両県にある6カ所の事業所で、約5万枚の糸をほどいたという。

 今回の作業は、これから就労をめざす利用者の技能訓練の一環だ。集中力を養うほか、多くの人が作業に関わり、次の人のために枚数や向きをそろえたり、検品して品質を管理したり。職場を想定したコミュニケーションの訓練にもなると、運営会社は説明する。

 ガーゼは様々な形に生まれ変わった。系列の就労継続支援B型の事業所でガーゼを草木染にして巾着袋に仕立て、病院に寄贈したところ、患者らに喜ばれたという。

 大学の看護学部では、赤ちゃんの人形を使った沐浴(もくよく)の実習で、このガーゼを使っている。特別支援学校でも、裁縫の練習や掃除の場面で活用しているという。

 ふきんとしても重宝することから、岐阜県内の47団体の子ども食堂でつくるネットワーク組織「こどもがセンター」に、近く1千枚を届ける。

 マスクをほどいたガーゼの布地は、まだ4万枚近く残っている。運営会社の大城盛一郎さん(34)は「社会に何か還元できないかと、模索しながらここまでたどり着いた。ほかにも有効に活用していただける場所があれば」と、活用先を募っている。